インボイス制度とは?個人事業主向けに登録・経過措置・2割特例を国税庁情報で整理


インボイス制度(適格請求書等保存方式)について、個人事業主の方が最初に押さえたい点を整理した記事です。国税庁タックスアンサー No.6498(令和8年4月1日現在法令等)の記述だけをもとにしています。

登録の流れ、売手と買手それぞれの留意点、期限のある経過措置を、順に確認できます。

この記事でわかること
  • インボイス制度の基本と、登録の手続き・登録番号の形
  • 売手の義務と、買手の仕入税額控除に関する経過措置
  • 2割特例・3割特例の対象期間と、計算方法の選び方
先に結論
  • 制度は令和5年10月1日に開始済みで、適格請求書を交付できるのは登録を受けた事業者だけです。
  • 免税事業者が令和5年10月1日〜令和11年9月30日の日を含む課税期間中に登録すると、登録日から発行事業者になれる経過措置があります。
  • 2割特例は令和5年10月1日〜令和8年9月30日の日の属する課税期間、3割特例は令和9年・令和10年の課税期間が対象です。
  • 登録した課税事業者は、基準期間の課税売上高にかかわらず消費税の納税義務は免除されません。

インボイス制度とは何か

令和5年10月1日から、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として始まっています。

制度のもとでは、一定の事項を記載した帳簿と「適格請求書(インボイス)」等の保存が、仕入税額控除の要件になります。

適格請求書は、売手が買手に正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段です。一定の事項が記載された請求書、納品書、これらに類するものが該当します。

適格請求書は、税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者でなければ交付できません。記載事項の詳細は、国税庁のコード6625「適格請求書等の記載事項」で案内されています。

適格請求書発行事業者になるには

手続きの流れ

税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、登録を受けます。

  1. 登録申請書を提出する
  2. 税務署で審査を受ける
  3. 登録されると登録番号が通知される
  4. 「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」に登録番号や氏名または名称等が公表される

申請は、パソコン、スマートフォン、タブレットから「e-Taxソフト(WEB版)」で行えます。画面の質問に答えていく「問答形式」で、入力漏れを防ぎながら申請データを作れると説明されています。

e-Taxでの申請には、電子証明書(マイナンバーカード等)と利用者識別番号等の事前準備が必要です。

登録番号の形

区分登録番号の構成
法人番号を有する課税事業者T+法人番号
それ以外の課税事業者T+13桁の数字

個人事業者等が「主たる屋号」や「主たる事務所の所在地」の公表を希望する場合は、別途「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」の提出が必要です。

免税事業者が登録する場合

登録を受けられるのは課税事業者です。免税事業者については、経過措置が設けられています。

  • 令和5年10月1日〜令和11年9月30日の日を含む課税期間中に登録を受けた場合は、登録を受けた日から適格請求書発行事業者となれる

また、登録を受けた課税事業者は、基準期間の課税売上高にかかわらず消費税の納税義務は免除されません。

売手になる場合の義務

適格請求書発行事業者には、次の二つの義務が課されます。

  • 取引の相手方(課税事業者に限る)の求めに応じて、適格請求書等を交付する義務
  • 交付した適格請求書等の写しを保存する義務

適格請求書を交付することが困難な一定の場合は、例外とされています。

想定される場面として、個人事業主が取引先の課税事業者に請求書を出すときは、この義務の対象になります。

買手になる場合:仕入税額控除と経過措置

仕入れや経費の支払いで消費税を控除する側にも、要件があります。一定の事項を記載した帳簿と請求書等の保存が、仕入税額控除の要件です。請求書等の交付を受けることが困難な一定の場合は例外です。

免税事業者や消費者など、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れは、消費税額を控除できなくなります。ただし、一定の要件を満たせば、仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置があります。

項目内容
対象期間令和5年10月1日〜令和13年9月30日
控除できる割合80パーセント、7・5・3割(国税庁の表記のとおり)
上限の考え方一の免税事業者等からの対象課税仕入れの税込合計が、年または事業年度で10億円を超えると、超えた部分は経過措置の対象外
上限の適用時期令和6年10月1日以降に開始する課税期間から
上限の変更令和8年10月1日以後に開始する課税期間は1億円

詳しくは、国税庁のQ&A「問113 免税事業者等からの仕入れに係る経過措置」を参照するよう案内されています。

税額の計算方法は2通り

令和5年10月1日以降の消費税の申告では、売上税額と仕入税額の計算方法を次の(1)または(2)から選べます。

  1. 適格請求書に記載のある消費税額等を積み上げる「積上げ計算」
  2. 適用税率ごとの取引総額を割り戻す「割戻し計算」

ただし、売上税額を積上げ計算にした場合は、仕入税額も積上げ計算にしなければなりません。詳細はQ&Aの問118〜130が案内されています。

2割特例と3割特例の違い

免税事業者が、インボイス制度を機に登録を受けて課税事業者になった場合の負担軽減措置です。

項目2割特例3割特例
対象小規模な事業者小規模な個人事業者
期間令和5年10月1日〜令和8年9月30日の日の属する課税期間令和9年および令和10年の課税期間
内容納付税額を売上税額の2割にできる納付税額を売上税額の3割にできる

2割特例の詳細は、国税庁ホームページの「2割特例特設ページ」で案内されています。

想定として、個人事業主で免税事業者から登録した場合は、課税期間によってこの二つの措置の対象かどうかが分かれます。自分の課税期間がどちらにあたるかは、国税庁の2割特例の特設ページや税務署で確認できます。

公式で確認したいこと

申請や申告の前に、次の点を確認します。個別の判断は、税務署、コールセンター、税理士などに相談してください。

  • 適格請求書の具体的な記載事項(コード6625を参照)
  • 適格請求書の交付が困難とされる「一定の場合」の範囲
  • 経過措置を受けるための「一定の要件」の内容
  • 2割特例・3割特例を使えるかどうかの、個別の条件や手続き
  • 自分の課税期間が各特例の期間のどこにあたるか
  • 登録申請から登録通知までにかかる期間

一般的な質問は、消費税軽減税率・インボイスコールセンターで受け付けていると案内されています。

まとめ

  • インボイス制度は令和5年10月1日に始まり、適格請求書を交付できるのは登録を受けた事業者だけです。
  • 売手には交付義務と写しの保存義務があり、買手には帳簿と請求書等の保存が求められます。
  • 経過措置には、免税事業者の登録、仕入税額控除(令和13年9月30日まで)、2割特例、3割特例があり、期間がそれぞれ異なります。
  • 条件や例外は、国税庁のQ&Aや相談窓口で確認してください。

出典

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本記事は、公式情報(公式ページ www.nta.go.jp)の内容を整理したものです。私が実際に使った感想ではありません。アフィリエイトリンクは含みません。 確認日: 2026-10-28 / 出典: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6498.htm